製作所労組

出典：大牟田市史

われわれは過去十年にわたり三池炭鉱労組の1支部として友愛と信義の旗印 の下に果敢な戦いを継続してきたその過程において、われわれは三鉱労組 の暖かい同志愛と旺盛なる闘争力に対しては心から感謝と敬意をあらわして きた。これはまた今後を通じても変わらないことを信じて疑わないものであ る。
たまたま今回三井鉱山は企業合理化と同時に三池製作所の分離案を提示 してきたのであるが三鉱労組はこれに対する態度として「三池製作所の分離 は企業合併化の一環であるので断固反対する」との主張に一貫し、われわれ の10年にわたる悲願に対する理解を持つにいたらなかった。
これはあくまで事態の平和解決を祈念し、努力をはらってきたわれわれの説 得力のいたらなかった点として反省せざるをえないがまた同時に聡明なる三 鉱労組がその炭鉱労働者としての主観から機械労働者たるわれわれの立場を 完全に理解できない点にあることも否めない事実であろう。
われわれはこの段階に至り独自の方針のもとに行動せざるを得ずとの見解に 立ち、盟友たりし三鉱労組との袂をわかつべき事態に立ちいたった。われわ れは独立にあたり主張こそ一致をみるにいたらなかったけれど、三鉱労組か ら現在まで示してくれた好意に対し深甚の謝意を表するとともに、今後は産 業別組織の上にたって、より密接なる連携のもとに労働者階級の幸福を志向 して戦いを進めていけることを確信しているものである。