現在、天領町にある大牟田天領病院がかつて三井鉱山（現：日本コークス工業）設立の三井病院と称されていたことを知る大牟田人は多い。
天領町に機能が移転する以前、この場所が三井三池鉱業所病院の本家であった。明治42年あたりから、大正、昭和初期まで。
病院が建設される前は、三井鉱山の事務所（それ以前は三池鉱山局＝明治6年12月に三池鉱山支庁として下里村字谷尻に設立）がこのあたりにあったという。
種田山頭火と長い交流をもった木村緑平も長崎医学専門学校（現・長崎大学医学部）を出たあとの若き日をこの場所で勤務している。そして山頭火と彼が出会った場所もこの大牟田であった。
病院が天領町に移った後（昭和27年）、跡地は「山の上ホテル」となり平成初期まで存在していたように記憶する。
偶然ではあるが、その後東京都の山の上ホテルの社長に大牟田に住んでいた人が就任している。
正面に見えるふたつの高層建築は右がエスポワール山上二番館、左がコアマンション山上倶楽部。
前者のあたりは戦前三井鉱山の幹部社宅があり、明治期には團琢磨宅があった。
後者は平成初期まで存在した三井鉱山の接待施設・山上倶楽部の跡地。戦前いったん焼失したが、戦後某大幹部の社宅を移築して再建されたという。
2010年代に入りこの医局跡にはマンション（フェリオ山上ヒルズ）が建設され、画像左側の門柱跡もいまはない。
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